Cross Talk

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YASOJIMA式、
仕事は楽しく!の流儀。

仕事の「厳しさ」と「楽しさ」は表裏一体。
困難な道の向こうには、大きな達成感があります。
八十島プロシードの仕事について、
そして仕事を楽しむとはどういうことなのか。
河野専務と社員4名がそれぞれのテーマで対談をしました。

河野 浩之 専務取締役
設計を希望し入社。
思い通りには進まない現実に直面しながらも「やりたい!」というぶれない軸を持ち続け、やがて「できる!」という確信に。信念を貫き数々の経験を積み重ねて現在に至る。
河野 浩之 専務取締役
設計を希望し入社。
思い通りには進まない現実に直面しながらも「やりたい!」というぶれない軸を持ち続け、やがて「できる!」という確信に。信念を貫き数々の経験を積み重ねて現在に至る。

#01

K.A. 技術 2019年入社
与えられた仕事だけではなく、最近は自ら考え工夫して仕事を進めるようになって急成長。そんな中、自身の可能性に気づき、働くことの楽しさと醍醐味を見出し始めた。

仕事を楽しくするには…「好き」を見つける。

ひたすらロボットと向き合う日々

  • 入社してからは3Dプリンターの仕事をしていたよね。仕事はどうだった?

  • ものづくりの仕事って漠然と分かっていたんですけど、実際に入社して基礎から学んで、ようやく最近、全体像が少しずつ見えてきた感じです。3Dプリンターでの仕事は、最初の造形から製品を完成させて納品するまで、すべてのプロセスに関わらせてもらいました。お客さまからフィードバックをいただける機会もあるので、とてもやりがいがありますし、良い評価をいただけたときは次の励みになります。

  • 数カ月前からは本格的にロボットの分野に携わってもらっているんだけど、もともと大学の専攻はロボットだったね。

  • そうなんですが、どういうデータを用いてどんなプログラムを作れば動くかといった理論が主体で。いま職場で行っているハード面とかジョブのティーチングとか、そういうことは一切やったことはなかったです。でも、通ずる部分はかなりあります。

  • ロボットの仕事を始めてみて、どう?

  • 正直言って分からないことも多いので、そこで躓いている部分はあります。でも少しずつトライしていくうちに分かるようになって、昨日はできなかったことができるようになるのがすごく面白くて。これから前に進めていける、いろんな応用もできるんじゃないかと思っています。

自身で考え実行することが最も大事

  • A君を面接したとき、ロボットを学んでいることに興味を引かれて。ロボットはこれからの仕事の流れを大きく変えるに違いない、というタイミングだったこともあり、君の知識や技術を当社で活かしてほしいという思いがあった。

  • ロボットの仕事は、やっていてすごく楽しいです。

  • 見ていてもそれは分かるよ。ロボットに携わるようになってから、A君がちょっと変わった気がする。現場で自分から積極的にいろいろ喋ってくれるようになったね。きっと仕事が楽しいのだろうなと。

  • ロボットを動かすのはもちろん楽しいのですが、周辺機器も含めて自分が作って、思い通りに動かすことができる。それにロボットは教えたことは必ずすべてやってくれる。そういうところが好きです。

「好き」という気持ちが人を成長させる

  • A君には、ロボット分野の第一人者になってほしい。そのためには、社内でトップになるくらいの知識を身に付けることを目指してほしいと思っています。そして知識や技術はもちろん大切だけれども、いろんな立場の人とコミュニケーションを取り、そこから生きた情報を得ることが君の力になると思うよ。A君の仕事は情報が大きなカギを握るはず。そのためには情報の中枢にいないといけない。そうしたことを意識して進んでほしいと思っています。

  • 私はまだまだ知識が少ないので、もっと勉強していろんな立場の人と対等に技術の話ができるようになりたいです。

  • 情報がどんどん入ってくると、それらを組み合わせていままで思い付かなかったようなことを見つけることができる。技術情報や人脈も含めて、情報ネットワークは自分で構築していかないといけない。A君ならそれができるはず。なにより仕事が好きだというのが伝わってくるので。好きじゃない人には任せられないからね。

  • 専務とこうやってお話しさせていただいて、これからの道標が見えてきた気がします。もっと勉強して、プロフェッショナルになれるように頑張ろうと思います。

  • 期待しているよ、頑張ってください。

#02

M.H. 技術 2016年入社
畑違いから入社するも、常に全力で設計の仕事に向き合い、一つひとつの製品を可能性の極限まで突き詰めて最高レベルに仕上げる。相棒である機械をこよなく愛し、自身の技術に誇りをもっている。

仕事の楽しさとは…出会いとその先の未来。

3Dプリンターとの出会いが将来を変えた

  • H君は大学の専攻はプロダクトデザインだったね。設計とは畑違いのデザインの世界から入ってきたんだけど、学生時代はもともとどんな仕事がしたかったの?

  • 家電系のメーカーでデジタルカメラとかポータブルオーディオプレーヤーのデザインをしたいと思っていました。でもスマートフォンなどが出てきて、さまざまな機能がひとつの機器に集約され、今後は家電メーカーがカメラなどのプロダクトデザインをすることがなくなるんじゃないかと。それでやりたいことが見えなくなっていたんです。その時期に3Dプリンターに出会い、これは面白いな、と。

  • 3Dプリンターに触れたのは初めてだった?

  • はい、私の通っていた大学の教授のところへ八十島プロシードの営業の方が来られて、「3Dプリンターはすごいんですよ」という話をされて、それがきっかけで勉強してみようと。卒業制作の作品の出力を八十島プロシードに発注したのが、僕にとって初めての3Dプリンターとの出会いでした。

  • 志望する仕事がそこで方向転換したわけだね。3Dプリンターを使ってみて、どんな感想を持ったのかな。

  • 学生時代にも、印刷物をはじめ平面系統はデジタル技術を活用してのものづくりをしていましたが、それの立体版ができることがすごく新鮮で。自分が作った3Dデータがそのまま実際に形になるのに感動しました。

デザインと設計のマッチング

  • プロダクトデザインって奥深くて、もちろんデザイン性は重要だけど、じつは一番重要なのは使い勝手なんだよね。

  • そうですね、見た目の美しさだけでなく、その製品によって人々の生活がどう変わるのか。そういう根本のところから考えていくのがデザイナーの仕事だと大学で学びました。

  • いまH君がしているのも、プロダクトデザインの仕事だと思うよ。

  • 自分自身は、入社してからずいぶん考え方が変わった気がします。最初のころはどうしても見た目のほうを考えがちだったんですが、いまは完全に機能性の方に振って考えるようになりました。

  • 僕らは設計が専門なので、強度や構造、機能などを最優先に、パーフェクトなものづくりをしたいと思ってしまう。そうすると、たいていかっこ悪くなる。そこに意匠の概念を学んできた人が入ってくるといろんな刺激が生まれる。工学系の人も刺激になるし、H君も工学分野の知識が増えるんじゃないかな。

  • はい、設計の専門知識など、もっと勉強したいと思っています。

幅を広げると仕事はもっと楽しい

  • 3Dテクノロジーの仕事は、何もないところから生み出さないといけない。だから、受注先への最初のコンタクトでいかに好印象を与え信頼を得られるかが大きなカギになります。提案する製品の機能性だけでなく、プロダクトデザインの視点がそこに反映されていることで、信頼性も上がり仕事の機会も増える。

  • 自分の提案や改善で、可能性が広がる点にやりがいを感じています。扱う製品が毎回違うのも面白いし、自分の頑張りが評価されるのはやはり嬉しいです。

  • 当初はデザインをH君に、機構は設計担当に考えてもらっていたけれど、一人ですべてをできるのが理想です。いまはそれが可能になって、忙しくなったね。

  • はい、製品の設計の段階から、製作して検査するところまで、ようやく一人でできるような状態になったので、すべてを任せていただいています。自分で設計したものを自分で製作し形にできるのが何より楽しいですね。

  • それは良かった!で、H君は、次はどこに向かって行くのかな?

  • 3Dプリンターで量産品を作るシステムを構築したいです。そのためには、量産品に適した設計やデザインを知っておかないといけないし、今後そういう人材が必要になるとずっと思ってきました。もっと勉強して「3Dプリンターでものを作るんだったらHに任せよう」と言ってもらえる人材になりたいです。入社時からずっとそこを目指しています。

  • 量産品を作るにはハードルがある。ハードルを越えるための方法を提案できる人材がこれからは求められる。ものづくりの知識がもっと必要になるので、H君はまだまだ勉強しないとね。その先については、3Dのものづくりを究めるのもいいし、設計部門をまとめる役割を担ってもいい。自分の進むべき道がどこに向かっているのか、幅を広げて可能性を探ってほしいと思います。

#03

J.S. 技術リーダー 2016年入社
ていねいで精度の高い技術力は、誰もが認めるところ。技術チームの頼れるリーダーとして周りから大きな信頼を寄せられ、後輩の育成にも精力的に取り組んでいる。

楽しい仕事の先にあるもの…次の人材を育てること。

設計とロボットの仕事の両立

  • S君は入社して何年になるの?

  • 2011年から派遣社員として勤務し、2016年から正社員になりました。

  • 設計の仕事を長くしてきて、いまは3Dプリンターを使った効率化実現の仕事をしているけれど、どっちが面白い?

  • どちらも面白いのですが種類が違いますね。設計の仕事では、お客さまの要望に対して「3Dプリンターならこんな風にもできますがどうでしょうか!」と提案することに面白さを感じています。ちょっとお節介なのかも知れませんが、それも自分の使命なのかと。3Dプリンターを使った効率化実現はまだまだ進化させられる伸び代があり、将来的にも役立つ場面は広がっていく一方だと思うので、大きなやりがいを感じています。

  • 僕は、「選択肢を広げる」という言葉が好きです。いろんな選択肢は持っておいた方がいい。S君の場合は設計もロボットもできるから、いまは両立させて、その時が来たら選択できるようにしておいたらいいと思う。

  • そうですね、でもどちらかに集中していると、もう一方の技術が錆びるというか、そういうことがあって、これじゃダメだなと思うときがあります。

若手の技術者を育てるのが楽しい

  • すべてを完璧にこなすことは無理だし、しなくていいと思うよ。ただ、人の上に立って仕事をするには、すべてについて理解しておくことは大事です。

  • でも自分ができないことを誰かにお願いする時、情けなく感じることがあります…。

  • 僕もそうだけど、自分に足りないものは自分が一番よく知っているよね。一人でできることは限られているから、足りないところを補う人を増やしていくことが必要。彼らの仕事内容をすべて理解し、周りの人たちをリードしてできることを増やしていくことで、いろんな選択ができるはずです。

  • 後輩のA君にロボットを教育し始めた頃、まだ自分の技術に確信が持てなかったことや、自分の居場所がなくなるんじゃないかという不安も少しはあったんです。でも教えていると、A君ができるようになっていくのがめちゃくちゃ楽しいんですよね。「これやな!」って思いました。2人の会話から新しい効率化の発想も生まれて、結局は自分のステップアップにもなった気がします。

  • 自分が何かをできるようになったら、次は若い人に渡さないとダメなんだ。そうすれば後輩も成長できるし、自分は次のステップに行ける。S君はもう言われたことをやるという時期は過ぎたと思う。そろそろ自分の新しいやり方を見つけて、それにトライすべきだと思うよ。やりたいことを見つけたときに、手伝ってもらえる人を育てていかないといけない。これからは全社的に底上げしないといけないのに、上にいる人が止まっていたらそれ以上にはいかないからね。ウチには、「やりたい」って言えばそれを止める人は誰もいないよ。

  • そうですよね。自分がアイデアを出したときに、やってみよう!と受け入れてもらえる環境がいつも本当にありがたいなと感じています。

コミュニケーションを取りやすい職場に

  • それで「楽しい仕事の先にあるもの」は見えてきたかな。

  • 人を育てること、後輩の成長を見守ることがとても楽しくなってきました。

  • 僕も最初は「楽しい仕事をしたい、設計がしたい」と、それだけを思っていた。次は「この仕事をもっと良くしたい」。だから良くするためにどうしたらいいか考える。その次は自分の成長のためにも「若い人たちを育てないと」って思うし、成果を後輩に返したい、評価してあげないといけない。それが積み上げられると、全体的に会社の底力が上がるわけだ。それで、多分みんなが幸せになれるよね。自分を慕ってくれる人たちを幸せにするにはどうするか考えていくと立派なリーダーになれると思うよ。

  • 専務がおっしゃるように、成長が幸せに繋がることが「楽しい仕事の先にあるもの」なのかなと思います。

  • リーダーとして皆を引っ張っていくには、幅広い技術や知識はもちろん大切だけれど、コミュニケーション力も必要になるね。いろんなことを話し合える雰囲気を醸成することが大事です。

  • はい、職場をもっともっと良い雰囲気にしていきたいですね。コミュニケーションが取りやすくて、情報交換がしやすい職場環境を創りたいです。

#04

J.I. 技術リーダー 2008年入社
確実かつ正確さを極める仕事ぶりが培われた背景には河野専務の助言が。以前とは180度変わり大きく成長した彼は、次代の八十島プロシードを背負って立つリーダー。

仕事は楽しいものなのか…未来を担う責任とともに。

厳しい社風の中で入社し成長

  • I君とはもうずいぶん一緒に仕事をしているね、入社して14〜15年かな。いまは幅広く仕事をしてもらっているけれど、もともとの入社動機をもう一度話してくれるかな?

  • はい、切削加工は「材料から製品を削り出す」という分かりやすくシンプルなものづくりなのに、決して簡単なものではなくて。シンプルだからこそ感じる奥の深さや難しさに魅力を感じ、集中するととことん没頭する自分に合っていると思い入社を決意しました。

  • 最初のイメージはどうだった?

  • 古き良き町工場の印象をもって入社しましたが、変わってきましたね。良いところは残しつつも、常に新しい技術や設備を取り入れ、多品種少量生産という効率化が難しい業態でありながら、3Dプリンターなどを活用して、それを実現している。そんな時代の先端を走っている会社だと思います。

  • ここ数年は事業の柱が確立され、方向性もはっきりしてきたけれど、15年くらい前はまだ模索中の事業もある渦中で、厳しいことも多かったと思うよ。

  • そうですね、入社から数年は苦労とか、悩むことのほうが多かったですね。

番頭役はいちばん面白くない仕事

  • I君は厳しかった時代を経験していて、かなり苦労したはずです。そんな中でもいつもまじめに仕事を積み上げてきたね。いまは社に欠かせないリーダーとしてI君にしかできない仕事を託しているけれど、自分の特性をこんなふうに活かしたいと思うことはあるかな。

  • 入社時から河野専務をそばで見てきて、思うことがあります。専務は当社で培ってきた技術のあらゆる情報が頭に入っていて、技術や知識に裏付けられた生き字引のような人です。技術について困ったことがあれば、とりあえず専務に聞こうと、みんな思っているはずです。そんな専務の背中を追って、すべてというわけにはいきませんが、ある分野において自分がトップになれるような、重要な部分を担えるようになりたいですね。

  • そう思ってもらえるのは光栄だな。いまI君には会社全体の品質保証を担当してもらっていて、全権を任せようと思っています。防衛関係や宇宙関係など機密事項も多いが、それも全てやってもらっている。I君にしかできない、重要な仕事です。そういう立ち位置にいることは自覚しておいてほしい。まあ、技術者としては、あまり面白い仕事とは言えないかもしれないけどね。

  • いえ、当社にとって非常に大事な部分を任せていただいていると、そこは自覚しています。

  • リーダーとしての第一ステップだね。責任重大だけど、完遂してほしいと思っています。

会社の未来を担うリーダーに

  • I君に求めているリーダー像はほかのリーダーとは違うし、もっと上を目指してほしい。そこに行きつくためには苦労の度合いも違うけれど、多分それは分かっていると思うし、いまのところ合格です。具体的にいま何か考えていることはありますか。

  • いちばんのテーマは航空宇宙分野向けの品質マネジメントシステムです。航空宇宙業界って特殊な業界で、いままでの当社にはない独特の概念や考え方があります。そういうものを知識のひとつとして得られるのは面白いし、新境地というか。新しいマネジメントシステムをどのように構築していくか難しいですが、できたときに当社がどんなふうに変わっていくか、次のステップにつながると思うので。達成できることを楽しみにしています。

  • 会社の将来の選択肢を増やしてくれる重要な仕事だね。会社の未来を変えられる仕事です。

  • はい、異業種のお客さまと接することで自分の知識が増えるので、そこも面白いところです。業界ごとにさまざまな考え方があるので、それを幅広く知っていれば、技術者としてお客さまと話すときのネタにもなりますし。新しい業界やお客さまにアプローチしていくことに役立てていけたらと思っています。

  • I君には会社の未来を担っているという自負を持って、新しいリーダーを目指してほしいと思います。うちの会社には何が足りないのか、次に何があればもっと良くなるのか、常に考える癖を付けておくといい。会社の未来像を考えてみてほしいです。

  • 改めて自分の任されている仕事の重要性と、期待していただいているということを感じました。責任感と自覚を持って今後もがんばっていきたいと思います。